仮組された茶室を見学する関係者=市内

仮組された茶室を見学する関係者=市内

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ゆらぎの茶室お披露目 独ベルリン王宮で来春公開

北國新聞(2019年6月7日)

 独・ベルリン王宮内の文化施設「フンボルトフォーラム」で来春オープンする「ゆらぎの茶室」が5日、金沢市内でお披露目された。金沢の工芸作家と建築家がタッグを組み、ピラミッド型の斬新な空間を仕上げた。現地への輸送を前に、検査に立ち合ったベルリンの関係者は「想像以上に完成度が高い」と、伝統にとらわれないしつらえに太鼓判を押した。
 茶道裏千家今日庵業躰(こんにちあんぎょうてい)の奈良宗久氏が監修し、浦建築研究所(本多町3丁目)が手掛けた。陶芸家中村卓夫氏、漆工の三代西村松逸氏、金属造形作家の坂井直樹氏が協力した。
 テーマは「破壊と創造」で、第2次世界大戦で壊されたカイザー・ヴィルヘルム記念教会を模した八角形。破壊されたままの状態で保存されている建築物と、「敵も味方もない」との精神で過ごす茶室を組み合わせ、平和を表現した。
 鉄製の壁や簾をはめ込んだ伝統的な建具「簾戸(すど)」が用いられ、床脇には水を象徴する裏千家ゆかりの渦紋を刻んだ。縁側は壁や庇(ひさし)に黒漆を施し、縁側の床には釉薬で打ち水を表現した。
 来年、開館するフンボルトフォーラムには、ベルリン国立アジア美術館が移転する。昨夏、館内の日本文化展示コーナーに整備する茶室のコンペが行われた。ベルリンの壁の前で行われた献茶式に出席した経験がある奈良氏を介して浦建築研究所が参加し、最優秀案に選ばれた。
 「西洋と東洋が合体し、これからの平和を訴える茶室。ここでお茶をすることに意義がある」と力を込める奈良氏。同研究所の浦淳社長は「今までの様式のカテゴリーにない新しい形ができた。金沢というチームの力が世界に認められてうれしい」と話した。
 茶室はいったん解体され、9月末までにベルリンに運ばれ、組み立て作業が始まる。

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