新たに建立された三十三間堂の観音像(右端)=福井県鯖江市小黒町

新たに建立された三十三間堂の観音像(右端)=福井県鯖江市小黒町

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傷んだ観音像、住民寄進で新調 鯖江・長泉寺山

福井新聞(2019年6月7日)

 福井県鯖江市の長泉寺山の登山道は、麓から山頂に至るまで計33の観音像が並び、古くから信仰の対象となっていた。観音像の多くは激しく傷み、そのまま放置されてきたが、後世に伝えようと地元住民らが一部を建て替えた。住民は「今の私たちがあるのは観音様のおかげ。この幸せが子や孫、その子孫にも続いてほしい」と話している。

 登山道は同市小黒町の八幡神社から長泉寺山の山頂へ至る約150メートル。全体にわたって観音像が並び、地元ではこの道を「三十三間堂」と呼んでいる。市教委文化課によると、観音像は明治時代以降に建てられたと推測される。江戸時代から庶民の間で、現在の近畿6府県と岐阜県の観音霊場を巡る「西国三十三所」が流行したことにちなんだとみられる。

 戦後は信仰が薄れ、荒れ果てていたが、1992年に地元の壮年グループが三十三間堂の復活を目指す「誉田会(ほんだかい)」を結成。倒れていた観音像を戻したり、道を覆っていたやぶを取り除いたりして整備した。2012年には市が選ぶ「鯖江百景」に選出された。

 ただ道は整備されたものの、観音像は長年の風雪を経て欠けたり、真っ二つに割れたりと痛ましい姿になっていた。新たに建立しようと、再び誉田会の結成メンバーが中心となり、昨年11月に約20人の奉賛会を立ち上げた。

 寄進を希望する住民を募ったところ、33体のうち特に傷みが激しかった21体を建て替えることができた。高さ約60センチの観音像に1~33の番号や寄進者の氏名、「家内安全」「子孫繁栄」などの願い事が刻まれている。

 新時代の令和を迎え、5月から新しい観音像を設置している。6月8日に八幡神社で、お精入れの神事を行う。奉賛会の山本孝治会長(81)=同市小黒町1丁目=は「今後も大事に守り、伝えていってもらいたい。8日は多くの人で祝いたい」と話していた。

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