自作の前で作品に込めた思いなどを語る出品作家(左)=県美術館

自作の前で作品に込めた思いなどを語る出品作家(左)=県美術館

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県内美術家51人競演 ビエンナーレTOYAMA開幕

北日本新聞(2019年6月17日)

 県内の美術家51人による「ビエンナーレTOYAMA」が16日、富山市の県美術館と富岩運河環水公園で開幕した。絵画や彫刻、工芸など多ジャンルの作品を8月20日まで5期に分けて紹介する。

 ビエンナーレTOYAMAは、作家自ら展示作業などを担う「手作り」の展覧会。今月28日までの第1期展には、全会期を通して環水公園の屋外会場にオブジェを並べる作家を含め14人が出品した。屋内外に合わせて27点の意欲作を展示している。

 美術館1階ギャラリーには、作者の内面が投影された洋画や造形作品、身近な風景を描いた日本画が並ぶ。環水公園には25個並べた石こうのマスクや、木を用いた実験的な作品がそろう。

 開会式で、実行委員長を務める洋画家の能島芳史さん(富山)が「地方で51人もの作家が集結し大展覧会を開くのは困難な作業。各会期の持ち味を見てもらいたい」とあいさつした。

 式後にギャラリートークがあり、出品作家が表現の狙いや作品に込めた思いを語った。脱脂綿を使った造形作品を出品した川原和美さん(高岡)は「生きる力や生命力を表現しようとした」と説明。かつて舟が行き来した富岩運河の歴史から着想を得て、環水公園に「あやの舟」を発表した日本画家の米田昌功さん(富山)は「舟が行き来した記憶をたどり、過去と現在、未来をつなぐ意味を込めた」と語った。

 実行委員会と県美術館主催、県民福祉公園と北日本新聞社共催。

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