完成した染物を眺める会員=釣部町

完成した染物を眺める会員=釣部町

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田んぼ染め復活へ保存会 金沢・釣部町の住民が結成

北國新聞(2019年6月17日)

 金沢市夕日寺校下にある釣部(つるべ)町(まち)の住民が、田の泥に浸して布を染める「田んぼ染め」の復活に向け保存会を結成した。同町に藩政期以前から伝わり、明治期に途絶えた技法で、口伝を基に再現して次代への継承を目指す。16日には専門家を招いて初の体験会(北國新聞社後援)を開き、会員は全国的にもほとんどみられなくなった伝統の技をよみがえらせようと意気込んでいる。
 田んぼ染めは、山漆などを煎じた汁に漬けた布を、鉄分を多く含む田んぼに浸して染め上げる手法とされる。釣部町の場合は史料がほとんど残っていないため、田んぼを使わずに行われていた可能性もあるという。
 保存会によると、唯一の史料である藩政期の地誌「亀廼尾廼記(かめのおのき)」には「釣部の黒染とて染物をす、けんぼうよりは強しと云う」と記載されており、京都の黒染めより長持ちしたことがうかがえる。
 釣部町には現在、10世帯29人が住んでおり、半分が60歳以上で、10代は5人となっている。少子高齢化が進む中、住民有志が伝承を後世に残すために保存活動に乗り出した。
 16日は、染色を専門とする元金沢美大教授の城崎英明さん(62)を講師に招き、同町にある城崎さんの工房で染め物の体験会を開いた。今回は実際の田んぼは使わず、会員ら15人が柿の葉で作った染料を布に浸して模様をつけた。
 継承事業は県の地域文化活性化事業に採択されており、会長の竹田惇さん(74)は「ふるさとの伝承を地域に発信できるよう取り組みを進めていきたい」と語った。

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