6年ぶりに発刊された機関誌「かにかくに」

6年ぶりに発刊された機関誌「かにかくに」

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御食国若狭倶楽部 小浜の食や文化つづった機関誌発刊

福井新聞(2019年6月19日)

 若狭の食文化向上と情報発信に取り組む福井県小浜市民グループ「御食国(みけつくに)若狭倶楽部(くらぶ)」は、機関誌「かにかくに 御食国若狭見聞録」第7号を発刊した。6年ぶりの刊行で、会員や小浜にゆかりのある人ら過去最多の25人が寄稿。鯖街道の歴史や鯖復活プロジェクトの裏話といった食に関する小浜ならではの話や、伝統文化の定説とは異なる考察などがあり、読み応えのあるエッセーが詰め込まれている。

 同倶楽部は1997年発足。ホテルや観光関連業者、伝統文化の保存会会員ら32人が所属している。機関誌の題名「かにかくに」は、若狭を詠んだ万葉集の歌から引用。「あれこれと、いろいろと」という意味で、いろんなことを考え議論しようという思いが込められている。98年から不定期で刊行している。

 小浜市職員の下仲隆浩さんは、サバが若狭の産物として有名になったのは18世紀からだと説明。小浜と京都の食文化が"融合"した焼きサバずし、「若狭小浜小鯛(こだい)ささ漬(づけ)」などについて、すしを切り口に考察している。韓国にもある鯖街道を歩いた体験談、新ブランドサバ「小浜よっぱらいサバ」開発など鯖復活プロジェクトにかけた情熱や苦労話も興味深い。

 小浜藩主の酒井忠勝が川越藩から小浜へ国替えした際に伝わったとされるお城祭りの雲浜(うんぴん)獅子について、保存会の宇田川省二さんは持論を掲載。ルーツとされる川越のささら獅子舞と雲浜獅子は、演技の形が違いすぎるとし、起源は別のものではないかと一石を投じている。

 このほか祖母との思い出や、好みのそば店紹介など何げない話をつづったエッセーもある。宇田川節子代表は「会員がいろいろな分野について書いており、小浜をより深く知ってもらえたら」と話している。

 A5判変型、80ページ。3月に500部発行。1部300円で、道の駅「若狭おばま」や小浜市駅前町の若狭おばま観光案内所で販売している。問い合わせは宇田川代表=電話090(3292)5094。

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