長野・山梨県境の金峰山から山梨県側を望む山岳地帯。一帯がエコパークの対象地域となった=17日、金峰山頂

長野・山梨県境の金峰山から山梨県側を望む山岳地帯。一帯がエコパークの対象地域となった=17日、金峰山頂

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甲武信地域、エコパークに決定 長野県は川上村対象

信濃毎日新聞(2019年6月20日)

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)は19日、フランス・パリで開いた会合で生物圏保存地域「エコパーク」について審議し、長野、山梨、埼玉、東京の4都県にまたがる甲武信(こぶし)ケ岳(2475メートル)周辺地域を新規登録すると決めた。長野県内は南佐久郡川上村南東部が対象。県内のエコパークは志賀高原(長野、群馬)、南アルプス(長野、山梨、静岡)に続き3カ所目。

 登録対象は2千メートル級の山が連なる山岳地帯を中心に、山梨県甲州市などの市街地を含む約19万ヘクタール。長野県内は、秩父多摩甲斐国立公園内を主とした9716ヘクタール。登録で国際的な知名度が向上するため、地元にはエコパークブランドによる農産物販売や観光客増への期待がある。

 エコパークは長期的に自然環境を保全する「核心地域」、核心地域を保護しつつエコツーリズムなどに利用する「緩衝地域」、人が暮らし自然と調和した発展を目指す「移行地域」で構成。川上村内の核心地域は甲武信ケ岳山頂付近や山梨県境の金峰山(きんぷさん、きんぽうさん)を含み、シラビソやコメツガなどの針葉樹林が広がる。移行地域には畑や住宅地、キャンプ場がある。

 今回のエコパーク登録を巡っては、16年に山梨県と同村など関係10市町村が協議会を設立。その後長野、埼玉両県が顧問として加わった。18年3月にユネスコ国内委員会が同本部(パリ)への推薦を決定。今年5月にユネスコの諮問委員会が登録を勧告した。

 19日は山梨県庁で協議会の会合があり、長崎幸太郎・同県知事や藤原忠彦・川上村長らが登録決定の連絡を受けた。藤原村長は「一緒に取り組みをさせてもらったことはとてもうれしい。どのような活用が望めるかしっかり考えていきたい」、長崎知事は「登録はゴールではなくスタート。関係者一丸となり地域資源の活用に向け活動を推進したい」と述べた。

 長野県の阿部守一知事は「豊かな自然環境が国際的に評価されたものであり、大変誇らしく思う。県として川上村と、保護と利活用の両面の取り組みを進めたい」とコメントした。

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