上田市下塩尻にあるホタルの名所「桜づつみホタル水路」でゲンジボタルが舞い、見る人を楽しませている。今年は気温の条件などがそろって幼虫の成育状況が良く、例年の10倍ほどの約3千匹を放流した。地元住民による「下塩尻桜づつみホタル会」は23日まで、観賞会を開いている。
毎晩300〜400匹が飛んでおり、18日夜も明滅する光跡が見られた。17日に夫妻で訪れた秋山和寛さん(26)=上田市上田=は「初めて来たが、思ったより多い。近くにこんなきれいな所があるとは」と驚いた様子。ホタル会の竹内健三会長(73)は「ホタルの淡い光と星空、カエルの声を楽しんで」。三脚を持参して撮影する写真愛好者も目立っている。
会によると、昭和初期に多くいたホタルはその後、環境の変化などで見られなくなっていた。地元の有志が1995年にホタル会を発足させ、水路の清掃や見回りをしてきた。人工ふ化させた幼虫を近隣の小学校や保育園で育ててもらい、放流している。
観賞会は午後7時半〜9時。会員が案内や駐車場の整理に当たる。