長野市戸隠の観光事業者らでつくる「戸隠高原を美しくする会」が、山中に常設トイレがない戸隠連峰で使ってもらおうとオリジナルの携帯トイレを作り、麓のコンビニエンスストアなどで販売している。入山前に立ち寄る人が多いコンビニに着目し、持参を促す試みだ。
戸隠連峰では、20年ほど前に登山者のし尿処理が課題となり、市は2010年、便座を備えた小屋を登山道沿いに設置。小屋内で携帯トイレが使えるようになった。
ただ、携帯トイレを持参してくる登山者が少ないため、登山ガイドらが定期的に携帯トイレを小屋まで運び、備えつけている。同会は「山にトイレがないことを理解し、エチケットとして携帯トイレを持ち歩く人を増やしたい」と、麓での販売を発案。登山記念にもなるよう、戸隠連峰の地図をデザインしたパッケージを付け、セブン―イレブン長野花咲町店などに販売を打診した。
オーナーの野沢和也さん(35)は「早朝から登山に向かうお客さんが多い。ぜひ協力したい」と快諾。今月から、出入り口付近で販売している。環境省戸隠自然保護官事務所の黒田和真さんは「24時間営業のコンビニでの販売は画期的。利用が増えるといい」と話している。
税込み500円。戸隠神社前郵便局や、戸隠キャンプ場でも販売している。