松井機業で機織り機が並ぶ工場を見学する参加者

松井機業で機織り機が並ぶ工場を見学する参加者

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南砺の「絹遺産」巡る 県内外50人風土を理解

北日本新聞(2019年6月23日)

 日本の近代化を支えた絹産業が地域に残した「絹遺産」とまちづくりについて考える「シルクロード・ネットワーク南砺フォーラム」が23日に南砺市で開催されるのを前に、22日、フォーラム参加者らが絹と縁の深い市内各地を見学した。五箇山相倉合掌造り集落、城端、井波の3地域を巡り、絹産業と共に発展した豊かな風土と文化について理解を深めた。

 フォーラムは公益社団法人横浜歴史資産調査会(横浜市)、NPO法人街・建築・文化再生集団(前橋市)が2015年から全国各地で開き、県内開催は初めて。23日は南砺市城端伝統芸能会館じょうはな座で、講演や事例報告などがある。

 これに先立ち、市内の絹遺産を巡る見学会があり、県内外の有識者や企業、行政関係者ら約50人が参加した。室町時代から養蚕を行っていたとされる平地域の世界文化遺産・相倉合掌造り集落を訪れた後、同市城端の絹織物業、松井機業を訪問した。

 フォーラムで講演する松井文一社長に城端の絹産業の歴史や同社が製造する「しけ絹」の特長について説明を受け、機織りの音が響く工場内にも足を運んだ。主催する横浜歴史資産調査会の米山淳一常務理事は「絹産業は豊かな生活を築く上で大切な原資となった。歴史を認識し、伝えていくことが大切だ」と話した。

 一行は、かつて養蚕やカイコの卵を売る蚕種業で栄えた井波地域も巡った。地元有志として運営に協力し、講演の講師も務める井波日本遺産推進協議会ワーキンググループの島田優平座長は「基盤となる産業があってこそ、彫刻などの文化が大きく発展した。若い世代にも歴史を知ってもらう機会になればいい」と話している。フォーラムは北日本新聞社後援。

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