サザエの荷揚げ作業に励む海女=輪島港

サザエの荷揚げ作業に励む海女=輪島港

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輪島で海女漁解禁 初日低調も「これから」

北國新聞(2019年7月2日)

 輪島市に夏到来を告げるアワビ、サザエの海女(あま)の素潜り漁が1日、解禁され、輪島や舳倉(へぐら)島の港で荷揚げ作業が行われた。前日の大雨で出漁が危ぶまれたが、しけもなく、無事漁ができた。初日はアワビ、サザエともに例年に比べて漁獲量は少なかったものの、海女は「漁はまだまだこれから」と今後の成果に期待を寄せた。
 1日は前日に能登地方を中心に降った激しい雨もやみ、穏やかな海で海女約180人のうち、輪島港から約20隻120人、舳倉島から約30人が出漁した。漁ができる午前9時から午後1時まで舳倉島や七ツ島周辺の水深約3~10メートル付近で素潜り漁を行った。午後1時ごろから水揚げ作業が始まり、両港は活気に満ちた。
 ただ、初日の成果は低調で、輪島、舳倉島両港合わせてサザエ約2600キロ、アワビ約40キロと例年の約6、7割にとどまった。舳倉島周辺で漁をした海女歴28年の鳳至京子さん(61)=同市鳳至町=は「まだ水が冷たく、潮の流れが早かった。満足な成果ではないが、きょうは雨の影響なく初日を終えられたのでよしとする」と話した。
 水産資源の減少については、昨年「輪島の海女漁の技術」の国重要無形民俗文化財指定を受け、同市で開催された「海女サミット」でも議題に挙がっており、気候変動などが原因ではないかと提言されていた。輪島港の漁業関係者は素潜り漁の低調な出足について「輪島でも水温上昇などの影響も少しはあるかもしれないが、何ともいえない」と話した。
 同市マリンタウンでは28日に「あわびまつり」(北國新聞社、テレビ金沢後援)が開催される。輪島の海女漁保存振興会の池澄幸代会長は「漁はこれから。海女取りのおいしいアワビとサザエを多くの人に味わってもらえるよう漁に取り組む」と意気込んだ。輪島の素潜り漁は9月末まで。

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