氷見市中心部で13、14日に行われる祇園祭りに向け、御座町(ござまち)町内会(黒田晶孝会長)の児童が地元公民館ではやしの練習に励んでいる。今年からレパートリーを増やし、14日の本祭りを盛り上げる。
祭りのはやし方は担い手がおらず、市内のほとんどの町内で廃れてしまったという。御座町では、地域への愛着と伝統の継承につなげるため2015年から児童会に輪を広げた。
練習は今月2日から始まった。朝日丘小学校1~6年生に中学生も加わり、毎晩10人前後が笛と太鼓、三味線の練習に打ち込む。笛を担当する久津呂千晴さん(6年)は「みんなで一緒にやるのは楽しい」と話す。
指導の中心は前比路史さん(74)と泉渉さん(68)。昭和40年代に、はやしを復活させた頃から携わる大ベテランだ。町内に伝わるはやし8曲のうち、昨年まで児童が演奏するのは「戻り山」だけだった。練習も5年目に入り「同じ曲ばかりでは嫌」という声が上がり、「数え唄」と「ノーエ節」にも取り組んでいる。
黒田会長は「まずは祭りの思い出を残してほしい。大人になって担ってくれればなおうれしい」と温かく見守っている。