高岡市美術館で12日に開会式が行われた「夢のアール・ヌーヴォー アルフォンス・ミュシャ展」は、アールヌーボーの寵児(ちょうじ)といわれたミュシャの全貌を紹介する作品が並ぶ。多彩な画業に触れた内覧会の招待客からは感激する声が相次いだ。
内覧会では出品者の尾形寿行さん(静岡、OGATAコレクション所蔵者)が、作品の魅力や、アートに捧げたミュシャの人生を解説。代表作で、パリで脚光を浴びるきっかけになった女優サラ・ベルナールの舞台「ジスモンダ」のポスターは特に注目を集めた。高岡市太田の大学生、三埜理奈さん(23)は「繊細な色使いがきれい。ミュシャの作品を高岡で見ることができてうれしい」と喜んだ。
大衆がアートを楽しめるようにと、ミュシャが意欲的に制作した装飾パネルが並ぶコーナーにも、多くの人が関心を示した。同市関大町の彫刻家、竹田貞郎さん(88)は「4連作の『四季』は、動きやリズムが感じられる」とうなった。
ポスターや装飾パネルなどはリトグラフ(石版画)で制作されており、印刷の専門家も興味津々の様子で見学した。山田写真製版所(富山市太田口通り)のプリンティングアーツディレクター、熊倉桂三さん(71)は「今の印刷とは違うリトグラフの魅力を実感した」と話していた。