開幕した企画展「もう一度読みたい国語教科書」=7月12日、福井県坂井市の福井県教育博物館

開幕した企画展「もう一度読みたい国語教科書」=7月12日、福井県坂井市の福井県教育博物館

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国語の歩み、教科書で回顧 坂井・県教育博で企画展

福井新聞(2019年7月13日)

 福井県坂井市の福井県教育博物館で7月12日、企画展「もう一度読みたい国語教科書」が始まった。教科として「国語」が誕生した120年前からの歩みを振り返り、昭和40年から福井県の小学校で使われた全ての教科書を展示。時代を超えて長く掲載されている名作を趣向を凝らして紹介するなど、大人から子どもまで楽しめる内容になっている。9月1日まで(入館無料。8月19、26日は休館)。

 展示では、明治から現在までの「国語」の移り変わりを解説。国語科は1900年に誕生し、国定教科書が作られ、戦後の教科書は検定制度となり、教科書作成は民間に移ったことなどが分かる。1945年には、戦前の教科書の中の戦争や神道などに関する部分を墨で塗りつぶして使用したことも、実物を展示して紹介している。

 昭和40年から現在までの小学1~6年生の教科書の展示では、年齢によってどの教科書を使ったかが分かるよう配列し、来館者は懐かしそうにページをめくっていた。

 計3千人が回答したアンケートによる「もう一度読みたい作品ベスト10」も面白いコーナー。中学生、大人(20~60代)ともに「スイミー」が1位に輝いた。アンケートに書かれた感想も掲示し、スイミーについては「知恵と勇気を出して大きい魚を追い払っているところが好き」などとあった。

 中学生、大人とも5位に入った「くじらぐも」については、巨大な挿絵のボードを設置。紙で作った先生と生徒の人形や雲に見立てた綿を貼って遊べるようにしている。

 「ロングラン作品ベスト5」もあり、1位は昭和40年から今も掲載されている「ごんぎつね」「スーホの白い馬」の2作品。ごんぎつねについては原作も展示し、一部書き換えて掲載されている教科書の作品との違いを知ることができる。

 初日は春江小の2年生86人が来館。教科書を手に取って音読したり、作品の挿絵を題材にした巨大パズルなど遊び心のあるコーナーを楽しんだりした。

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