いしかわ動物園(能美市)で、7月にふ化した国特別天然記念物で絶滅危惧種の「ニホンライチョウ」のひな6羽がすくすく成長している。先に生まれた4羽は生後2週間が経過し、大きい個体は体重が約4倍に増えた。いずれも親鳥の繁殖行動から産卵、ふ化までを同園で行った初の「純石川産」で、担当者は「成鳥になるまで慎重に飼育を続けたい」と話している。
環境省などの保護増殖事業に取り組む同園では2、3日に4羽、11、12日に2羽が卵からかえった。先に生まれた4羽は生後2週間で体長が2・5センチ伸びて約10センチ、体重は約2~4倍の40~66グラムとなった。卵の殻に残るDNAを調べた結果、性別は雄と雌の各2羽と分かった。
餌は小松菜やクランベリーなどを1日4回与えている。ケージ内では採食と休息を繰り返し、動き回っては「ピヨピヨ」と鳴いている。生後5、6日の2羽の健康状態も良好という。
体調を崩しやすい生後3カ月までは非公開で飼育に専念し、それ以降は「ライチョウの峰」での展示を検討する。