全国の酒蔵を巡る旅で県内を訪れている立川さん。各地の水や気候を生かした地酒を味わい「こんな幸せはない」と楽しんでいる

全国の酒蔵を巡る旅で県内を訪れている立川さん。各地の水や気候を生かした地酒を味わい「こんな幸せはない」と楽しんでいる

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脱サラ蔵人、酒の旅語る 東京の立川さん、長野で19日催し

信濃毎日新聞(2019年7月18日)

 全国で約1500に上る全酒蔵を巡る旅を続けている立川哲之さん(25)=東京=が県内を訪れている。学生時代に地酒にはまり、一度は他の業種に就職したものの2年前に脱サラ。知り合いを頼って蔵人に転身し、昨年から蔵巡りを始めた。軽自動車で移動、寝泊まりしながら、後継者不足などで廃業が相次ぐ酒造業界を盛り上げたいと情熱を注ぐ。19日夜、旅の話をしつつ買い集めた地酒を楽しむ催しを長野市で開く。

 おらが町の酒、一番うんめえから飲んでみ―。筑波大在学中に東日本大震災の復興ボランティアで訪れた岩手県陸前高田市。立川さんは住民との懇親会の席で地酒に酔いしれた。大酒飲みの体質ではないが「こんなうまいものがあるのか」と驚いた。良質な水や気候など「地域の資源を生かして酒を造り、地元の人が楽しく飲んで活力にしている」。

 立川さんは東京出身。陸前高田での体験を受け、酒造業界について学び、アルコール飲料の多様化などで市場の縮小が続く現状を知った。大学卒業後は食品関連会社に就職したが、日本酒に関わる仕事がしたいとの思いが再熱。酒販店勤務を経て、現在は冬季のみの契約社員として、宮城県の酒造会社で働く。

 いずれは酒販免許を取得し、ネット販売や海外輸出を手掛ける構想を温める。酒蔵巡りは、経営難や廃業が目立つ現状も踏まえ「今のうちに自分の目で見て舌で確かめたい」と着想。ネット上で支援を呼び掛けるクラウドファンディングで活動資金を募り、250人余から計223万円を調達した。

 既に東北、北関東など17都道府県の計520の酒蔵を訪ねた。長野県内には6月下旬から滞在しており、7月末までに約80蔵を巡る予定。これまでに西飯田酒造店(長野市)や長野銘醸(千曲市)、井賀屋酒造場(中野市)など各地の68蔵を訪れたという。

 訪れた酒蔵では洗米や発酵、貯蔵時の工夫を教わったり、年季の入った設備を使い続けるこだわりに触れたり。立川さんは「みんなに知ってほしいうまい地酒、魅力的な酒蔵がたくさんある」と改めて実感している。

 催しは午後7時から、善光寺表参道沿いのゲストハウス「ワールドトレックダイナー&ゲストハウスピセ」で。県内の酒蔵で購入した計約40種の地酒を飲みながら、立川さんが旅の話などをする。参加費は3500円(学生3千円)。定員30人で、立川さんのフェイスブックページから申し込む。

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