原住職(中央)の解説を聞きながら幽霊画を鑑賞する来場者

原住職(中央)の解説を聞きながら幽霊画を鑑賞する来場者

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おどろおどろしい世界広がる 県水墨美術館で「幽霊と地獄」展

北日本新聞(2019年7月27日)

 企画展「夏の美術館へようこそ 幽霊と地獄」が26日、県水墨美術館で始まった。おどろおどろしい幽霊画と罪人が責め苦を受ける地獄絵を展示。先人が想像力を膨らませて目に見えない世界を描いた作品に、来場者がじっくりと見入った。9月1日まで。

 同館の開館20周年記念展。四谷怪談のお岩ゆかりの陽運寺(東京都)や数多くの幽霊画を所蔵する金性寺(福島県)など県内外の寺院、博物館から63点を集めた。立山曼荼羅(まんだら)から影響を受けてきた日本画家、米田昌功さん(富山市)の新作も並ぶ。

 開会式後、金性寺の原啓寿住職と美術史家で北斎館(長野県)館長の安村敏信さん(富山市出身)らが作品を解説。鋭い目つきから強い怨念が感じられる幽霊画をはじめ、お岩が使っていたとされる鏡、罪人が棒を持った鬼に追い回される地獄絵を説明して回った。安村さんは「掛け軸から幽霊が飛び出てくるように表装にまで描いた作品や、グラフィックデザインのように鮮やかな色彩の地獄絵など多彩な表現を堪能できる」と語った。

 8月3、4の両日は午後8時まで延長開館し、真っ暗な展示室で肝試しをするなど、会期中は趣向を凝らした行事を予定している。県水墨美術館とチューリップテレビ、北日本新聞社主催。

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