地方活性化に向け活動する関東の学生団体「Volante(ボランチ)」が8月上旬に小矢部市を訪れ、市の特産品を使ったかき氷を開発する。高岡市出身の金谷智さん(29)が社長を務めるIT企業「LX(エルエックス) DESIGN(デザイン)」(東京)の企画で、小矢部市のカフェで提供される。学生たちは事前の研修で小矢部について学んでおり、会員制交流サイト(SNS)で魅力や団体の取り組みをPRする。
ボランチは関東の10大学に通う約20人が所属する。企業とコラボレーションした商品の開発に加え、和歌山県のミカン農家での就業体験など地方活性化に向けた活動を進めている。
金谷さんは東京と富山を行き来して活動し、小矢部市の石動駅前商工会ビルも拠点の一つ。会社として古里を盛り上げようと力を注いでいる。東京の事業でボランチの学生と知り合い、小矢部市を紹介。商品開発を通じて活性化に取り組んでもらうことになった。
SNSで情報を発信し、若い世代に市の魅力を知ってもらうのも狙いだ。金谷さんは「学生には自分と接点のない地域をSNSを活用して盛り上げるという体験をしてほしい」と期待する。同市安楽寺の「カフェ バッシュワーバリー」を運営する地域づくり会社「伊造」が協力する。
プロジェクトをより充実させるため、事前研修も実施。ボランチの3人が7月中旬に県アンテナショップ「日本橋とやま館」(東京)で取り扱う市の商品を確認し、田崎博勝館長代理から県の魅力や特色を聞いた。市出身者がオーナーシェフを務める東京・渋谷のレストランでバッシュワーバリーのコンセプトなどに理解を深めた。メニューはかき氷に決め、8月4日に同レストランでオーナーの意見を聞きながら試作する。
同市には8~11日に滞在。市内の名所を巡って魅力に触れ、バッシュワーバリーで10日にかき氷を販売する。初めて富山を訪れる副代表で明治大3年の前田美紗季さん(神奈川)は「地域貢献できるスイーツにしたい」と意気込む。