日本遺産のシンボルとなる常夜灯。上部を中谷さんが手掛けた=小松市安宅町

日本遺産のシンボルとなる常夜灯。上部を中谷さんが手掛けた=小松市安宅町

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日本遺産のシンボル塔 小松・安宅に常夜灯

北國新聞(2019年8月3日)

 小松市安宅町の公園に、日本遺産「北前船寄港地・船主集落」と「小松の石文化」をアピールする常夜灯がお目見えした。小松特産の滝ケ原石を使ったシンボル塔で、地元の石材彫刻士中谷篁(たかむら)さん(87)=同市滝ケ原町=が手掛けた。市は今後、常夜灯の近くにマップや案内看板も整備する方針で、二つの日本遺産の構成文化財がある地域と職人の技を全国に発信する。
 常夜灯は、高さ5・2メートルで、市が米谷家跡地公園に整備した。内部には発光ダイオード(LED)が取り付けられており、今月中に点灯させる。
 安宅町は昨年、北前船寄港地として船主ゆかりの建築物など9つの文化財が日本遺産の認定を受けた。今年、町内の愍念寺(みんねんじ)にある、凝灰岩をくりぬいた円形の建築部材「たんころ石」が追加認定されたことで、二つの日本遺産の文化財を有することになった。
 「滝ケ原石の石材加工技術」も今年、追加認定された。専門の技術を持つのは中谷さんだけで、市からの依頼を受けて常夜灯上部の制作を引き受けた。
 縦、横、高さ約150センチの石材を用いて、頂点の「擬(ぎ)宝珠(ぼし)」など繊細な曲線を手作業で削り出す技法で、職人歴約70年の中でもこれほどの大きさの作品を制作するのは記憶にないという。約2カ月掛けて仕上げた中谷さんは「頼りにしてもらえてうれしい。たくさんの人に見てほしい」と感慨深く話した。

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