紙芝居を披露する山村さん(左)=加賀市南郷小

紙芝居を披露する山村さん(左)=加賀市南郷小

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「青い目の人形」後世に 加賀・南郷小、卒業生が紙芝居初上演

北國新聞(2019年8月7日)

 昭和初期に日米親善の象徴として日本の子どもに贈られた「青い目の人形」を題材にした紙芝居の上演(北國新聞社後援)が6日、加賀市南郷小で行われた。同小卒業生の山村正人さん(70)が本紙報道で人形などの存在を知り、「今を生きる子どもたちに知ってほしい」と初めて実施した。約60人の児童は人形に込められた願いと悲しい歴史に耳を傾け、先人の平和への思いに触れた。
 青い目の人形は1927(昭和2)年、米国から日本の子どもたちに約1万3千体が贈られた。米国で日本人移民の排斥運動が広がる中、友好親善を願う民間人が中心となって幼稚園や小学校に届けられ、各地で歓迎を受けた。
 だが、41(同16)年に太平洋戦争が始まると、人形は多くが焼かれたり壊されたりして、現存するものはわずかとなっている。
 県内では輪島市の旧西保小に残っていた人形「メリー」を題材に、同校児童が2013年に紙芝居を作成した。同年の閉校後、人形と紙芝居が同市西保公民館に保管されていることを知った山村さんが紙芝居のコピーを譲り受け、南郷小児童に語り継ぐことにした。
 紙芝居には、夜中の学校に入り込んだネズミの「ピピ」が、人形から戦争の話を聞き、友達となるストーリーが描かれている。情感を込めて物語を読み上げた山村さんは「ふるさとに残る貴重な人形から、子どもたちに平和であることの尊さを感じてほしい」と語った。
 同小6年の村井希舟(のあ)さん(12)は「戦争中でも人形を大切に保管した人がいたように、私も普段から周りの人や物を大切にしたい」と話した。

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