ランタンが飾られた旧宮崎酒造で、思い出話に花を咲かせる廣橋さん(中央)や清水さん(右から2人目)

ランタンが飾られた旧宮崎酒造で、思い出話に花を咲かせる廣橋さん(中央)や清水さん(右から2人目)

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滑川で10日からランタンまつり

北日本新聞(2019年8月8日)

■市民有志、10回目に意欲
 10、11の両日に滑川市瀬羽町の旧宮崎酒造一帯で開かれる「ベトナム・ランタンまつりinなめりかわ」は今回で10回目を迎える。過去最多400個のランタンが街並みを彩る。町おこしに奮闘する市民有志ら数人が始めたイベントは、回を重ねるごとに人気が高まり、かつての「銀座通り」に活気を呼んだ。節目を前に、実行委員会メンバーは気持ちを高めている。 (滑川支局長・小幡雄也)

 滑川市の瀬羽町通りは、昭和半ばまで多くの商店が並び、「滑川銀座」と呼ばれた。だが、大型商店の開店などで寂れてしまった。

 まつりは、町のにぎわいを取り戻そうと活動していた同市坪川新の廣橋和親さん(57)=同市観光協会事務局長=らが企画した。

 2009年秋、中学の同級生でベトナム在住の清水由美さん(57)=高岡市出身=が旧宮崎酒造や瀬羽町通りを見学に訪れた際、何げなく発した言葉に着想を得た。「ここ、ホイアンに似てるね」。ホイアンは世界遺産のベトナムの港町で、ランタン祭りが有名だ。

 翌10年春に清水さんや地元の商店主らと一緒に計5人で現地を訪ね、ランタンを買って帰った。屋台の出店者を集めて回るなど奔走し、第1回を成功させた。

 同市観光協会によると、来場者は初回の1100人から年々増え、昨年初めて1万人に達した。写真映えする幻想的な光景は若者の間でも話題となっている。

 7日にはメイン会場の旧宮崎酒造で、最初にまつりの開催に動いたメンバーが集まり、思い出話で盛り上がった。廣橋さんは「10年でまつりや町のことがだいぶん知られるようになった。若者が滑川を訪れるきっかけになってくれればうれしい」と話す。

 廣橋さんたちはまつりを長く続けたい思いから、近年は運営主体を若手に任せている。撮影スポットとなるランタンアーチを設けるなど、今回も若い感性がちりばめられている。実行委員長の下村克巳さん(42)=同市坪川新=は「将来にわたって滑川の財産になるよう引き継いでいきたい」とし、「2日間限定で異国情緒に包まれる滑川のまちを楽しんでほしい」とPRする。北日本新聞社後援。

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