ゴジラの彫刻を見つめる音琴さん=いなみ木彫りの里

ゴジラの彫刻を見つめる音琴さん=いなみ木彫りの里

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核廃絶願い彫刻ゴジラ 井波彫刻師、音琴さん(長崎出身)

北日本新聞(2019年8月14日)

 長崎県出身の井波彫刻師、音琴(ねごと)冰春(すいしゅん)さん(59)=砺波市杉木=が核廃絶への願いを込め、水爆実験で目覚めた怪獣ゴジラをモチーフにした高さ約70センチの彫刻作品を作った。南砺市のいなみ木彫りの里で展示し、世界平和の大切さを呼び掛けている。

 音琴さんは長崎県大村市出身で、親戚や同級生には被爆2世がいる。富山と被爆地との原爆に対する温度差を感じていたという。2013年からほぼ毎年、広島・長崎に原爆が投下された8月に合わせ、核廃絶を訴えるための彫刻作品を制作している。

 これまで、自由の女神や折り鶴などを題材にしてきた。ゴジラは水爆実験で目覚めた怪獣。子どもから大人まで多くの日本人になじみがあるため、関心を持ってもらいやすいと考え、今回の作品のモチーフに選んだ。

 作品は、高さ約70センチ、幅約150センチ、奥行き約40センチ。スギを使い、のみとチェーンソーで7月下旬から約2週間かけて制作した。原子爆弾と爆弾を投下したB29に、ゴジラが力強く火炎を吹き掛けている姿を表現。足下には、片足鳥居など廃墟になった長崎の風景をイメージした。

 作品はいなみ木彫りの里で15日すぎまで展示している。音琴さんは「井波彫刻師として、作品を通じ、核廃絶や世界平和を表現することができる。今後も、長崎出身者として戦争や原爆の怖さを伝えていきたい」と話している。 

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