上田市殿城の「稲倉の棚田」で金曜と土曜の夜、イルミネーションを点灯させる催しが開かれている。4回目の今年は催し開幕前の7月末に、豪雨で田ののり面が崩れたり農道が土砂で埋まったりする被害が出た。「稲倉の棚田保全委員会」の地元住民が復旧作業と電球の飾り付けを並行して行い、開催にこぎ着けた。31日まで。
当初、冬に行っていたが寒さが厳しく、3回目の昨年から夏の開催に。棚田や周辺の約4ヘクタールに発光ダイオードを飾り、日没をセンサーで感知して点灯を始める。青と黄の光は30分おきに変わる。
7月末の豪雨では、田ののり面が崩れるなどの被害が10カ所ほどで出た。土砂が覆ったため収穫を諦めた田もある。住民は農道や水路から土砂を除去する傍ら、イルミネーションを準備。電球約1800個を飾り、8月2日の初日を迎えた。約2500個の電球を飾り終えたのは16日だった。
「豪雨直後は復旧作業で、催しのことは考えられなかった」と保全委事務局の石井史郎さん(57)。「今年はとても大変だったが、きれいに仕上がった。ホタルの光のような幻想的な光景を見てほしい」と話す。
観賞料金は保全活動特別協力金として、中学生以上が200円、一眼レフなどの高級機材を持ち込む人は500円。午後6〜9時は棚田近くの休憩所「稲倉の里農村交流館」を開放する。