南牧村の国立天文台野辺山宇宙電波観測所は24日、観測所の特別公開を行った。年1回の人気イベントだが、同観測所は財政難のため来年以降の特別公開は規模を縮小する方針。県内外から1961人が訪れ、縮小前最後の開催となった特別公開を楽しんだ。
職員らスタッフ約110人が観測所の役割や研究成果を解説。うちわでパラボラアンテナを作ってBS放送をテレビに映す体験や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が佐久市前山に建設している新しいパラボラアンテナに関する講演などがあった。45メートル電波望遠鏡は公開用に大きく傾けられ、来場者は手を伸ばして触れていた。
特別公開の主会場となった本館は9月に、経費削減のため閉鎖する予定。来年以降は本館を使わずスタッフの人員も減らす意向だが、詳細は未定という。
大学時代に宇宙を研究していたIT系エンジニアの寺本篤史さん(28)=東京=は「一度は来てみたかった特別な場所」と初めて観測所を訪れた。45メートル電波望遠鏡を間近に見て「圧倒された」といい、特別公開の規模縮小には「残念ですね」と話した。