モジめがけて投げ上げられたジンが赤い放物線を描く=8月24日夜、福井県小浜市下田

モジめがけて投げ上げられたジンが赤い放物線を描く=8月24日夜、福井県小浜市下田

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炎の放物線、息災願う 伝統の「松上げ」 福井・小浜

福井新聞(2019年8月26日)

 無病息災や豊作、火の用心を願う伝統行事「松上げ」が8月24日夜、福井県小浜市の南川流域の集落で営まれた。高さ約20メートルの柱の先端「モジ」に火をつけようと、住民は燃え盛るたいまつ「ジン」を振り回して勢いをつけ投げ上げた。炎が何度も空を舞って鮮やかな赤い放物線を描き、ようやく火が付くと観衆から歓声が上がった。

 同市口名田、中名田地区、おおい町の南川上・中流域の民俗行事で、火祭りの一種。南川をさかのぼれば京都方面に通じており、京都の愛宕山で行われる火祭りを取り入れたという説と、盂蘭(うら)盆の送り火が起源という説がある。モジは稲わらなどを逆円すい状にたばねたもの。ジンは燃えやすい松ヤニの多い松の根を15~20センチほどに刻んでたばねている。

 同市下田の竹本と清水の2集落は、南川支流の田村川に架かる薬師橋に、大人が点火する約20メートルの柱と子ども用の少し低い柱を設置。午後7時すぎにジンを投げ始めた。「惜しい」「高さはそのまま」などと声を掛け合い、何度目かの挑戦でモジに乗っかり点火すると、仕込んであった花火が上がった。住民約100人が集まり酒宴も夜通し行われ、集落の絆を強めた。

 同市中田の滝谷では午後9時すぎ、男衆が浴衣姿で登場。高張りちょうちんを先頭にお伊勢音頭を歌いながら南川の河原に向かい松上げをした。沿道には大勢の見物客が詰めかけ、モジが無数の火花を散らせてどっと崩れ落ちると、どよめきが起こった。

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