上演作について意見を交わす菅さん(左から2人目)、苅部さん(同3人目)、内野さん(右)。左は司会の山村さん

上演作について意見を交わす菅さん(左から2人目)、苅部さん(同3人目)、内野さん(右)。左は司会の山村さん

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上演作の意図、読み解く 利賀で評論家らのシンポ始まる シアター・オリンピックス

北日本新聞(2019年8月27日)

 県内で開催中の国際的な舞台芸術の祭典「第9回シアター・オリンピックス」に合わせ、上演作について意見交換するシンポジウムが26日、会場の南砺市の県利賀芸術公園「利賀創造交流館」で行われた。演劇評論家らが作品に込められた意図や見どころを語った。

 シンポジウムは会期中の週末に計5回開く。演劇評論家の菅孝行さん、演劇研究者で学習院女子大教授の内野儀さんがレギュラー講師を務め、司会は編集者の山村武善さん。毎回ゲストを招き、初回は東京大教授の苅部直さん(日本政治思想史)が参加した。

 菅さんは、打楽器奏者の高田みどりさんのパフォーマンス「羯諦羯諦(ぎゃていぎゃてい)」に触れ、般若心経に節を付けた「声明(しょうみょう)」が響く演出を「死の雰囲気が漂っていた」と評した。苅部さんは「どの作品も、国家や世代の"懸け橋"としての役割を意識している」とし、異なる文化の相互理解や尊重が共通のテーマになっているとの認識を示した。上演作の一つ、ギリシャ悲劇「トロイアの女」について、原作者エウリピデスの社会的立場から作品の狙いを考察する場面もあった。

 次回は9月1日午前10時半から利賀創造交流館で行う。ゲストは情報学者の西垣通さん。

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