トロフィー賞を受賞したシードルを手に喜びを語る入倉さん

トロフィー賞を受賞したシードルを手に喜びを語る入倉さん

長野県 伊那路

伊那のシードル、最高位に 国内醸造所で唯一

信濃毎日新聞(2019年9月3日)

 伊那市横山のカモシカシードル醸造所が、リンゴの発泡酒シードルの国際コンテスト「フジ・シードル・チャレンジ2019」に出品し、最高位のトロフィー賞を受賞した。国内で数少ない国際コンテストで、今回、国内の醸造所で唯一の同賞受賞となった。関係者は快挙を喜び、今後も安定して高品質の商品を提供しようと気持ちを新たにしている。

 審査は8月上旬に東京で開催し、今年は日本や英国、フランスなど6カ国から54点の出品があった。国内外の専門家らが、見た目や味、香り、余韻などを審査。トロフィー賞は5点選ばれ、日本国内では唯一、カモシカシードル醸造所の「カモシカシードル・ラ・ドゥージィエム・セゾン」(甘口)が受賞した。

 同醸造所は16年に設立。シードルを中心に年間13商品を醸造し、県内を中心に販売している。フジ・シードル・チャレンジには初回の17年から挑戦。出品してきたのは今回と同じ銘柄で、自社農園の紅玉と同市横山産のシナノスイートで造っている。17年は上から3番目の金賞、18年は銅賞だった。

 所長の入倉浩平さん(39)は今回、「シードルにする時に、いかに香りを残せるかにこだわった」。毎年計測してきた発酵温度と香りの関係に着目し、これまでよりも発酵温度を2度下げたことでリンゴの芳純な香りが残り、受賞につながったと受け止める。

 入倉さんは、シードルを造るメーカーが年々増え、品質が上がっていると感じており、「シードルブームの中でこれ以上ない賞をいただきうれしい。品質の安定した商品を今後も作っていきたい」と話している。

 受賞したシードルは20日から市内の酒販店に並べる予定。750ミリリットルで1620円(税込み)。

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