■初出荷へ選別作業
合掌造り家屋で使った古いカヤを畑に敷く昔ながらの農法で育てられた南砺市五箇山地方のカボチャ「五箇山ぼべら」の今シーズン初出荷に向け、同市中畑(平)にあるJAなんと平の集荷場で3日、選別作業が行われた。約2トンの収穫を見込み、7日から県内のスーパーで販売する。
「ぼべら」は、五箇山地方の方言でカボチャを意味する。ラグビーボールのような形で、ほくほくした食感や強めの甘みが特徴だ。使い古しのカヤを敷くのは、雑草や病害の防止、土壌改良に効果があるとされる。
同市楮(上平)では2014年から、この農法によるカボチャ作りに着手。17年には総合スーパーのイオンリテール(千葉)や生産者、市などでつくる「五箇山ぼべら推進協議会」が設立され、大幅な販路拡大につながった。
現在は3農家、2団体が栽培し、畑は100アールに拡大。今年は適量の雨が降り日照時間が長かった影響で、甘みが強く仕上がったという。3日は生産者が砺波農林振興センターの指導を受けながら出来栄えを確認した。5日から出荷を始め、富山、石川両県のイオン系列の店頭などに並ぶ。
収穫は今月中旬まで続く。五箇山ぼべら生産者部会の田中進副会長(66)は「濃厚な甘みを大勢の人に味わってもらいたい」と話している。