現代を代表する日本画家の一人で東京芸大教授の手塚雄二さん(66)の40年の画業をたどる特別企画展「光を聴き、風を視(み)る」(福井新聞社共催)が9月6日から、福井県福井市の県立美術館で開かれる。たそがれ時の雲間や振り向きざまに見た月など、心揺さぶられる一瞬の風景美をとらえた大作72点を中心に、素描や茶器、着物帯などを並べる。
日本美術院同人の手塚さんは、2013年から県立美術館の特別館長を務める。来年創建100年を迎える明治神宮の依頼でご神宝となる屏風(びょうぶ)を手がけ、奉納を控えた6月に同美術館で開いたお披露目展は多くの人でにぎわった。
特別企画展は手塚さん4度目の回顧展で過去最大規模。万里の長城のそびえる壁のような急勾配が眼前に迫る日本美術院賞(大観賞)受賞作「嶺」(1990年)や、見上げた木々の合間からおぼろ月がのぞく幻想的な「おぼろつくよ」(12年)など、独特の視点が息づく大画面に引きつけられる。会場では照明作業が急ピッチで進んでいる。
10月6日まで。一般・大学生1200円(5日まで前売り千円)、高校生700円、小中学生400円。6日午後1時半からは、手塚さんによるアーティストトークがある(要観覧券)。問い合わせは同美術館=電話0776(25)0452。