和紙を使った立体造形作家の橿尾正次さん(86)=福井県南越前町=の作品を、同町出身の写真家土田ヒロミさん(79)がディレクションして撮影した作品集発刊を記念した2人のコラボ作品展が3日、同町の南条文化会館で始まった。9月12日まで。
作品集で使われた橿尾さんの造形作品や土田さんの写真など23点を展示。作品集で撮影された橿尾さんの作品単体と、土田さんの撮影した写真を並べて展示するなど、2人の作家のコラボにより生まれた「新しい美」を体感できる。
展示写真6点はいずれも南越前町の自然の中に橿尾さんの作品を持ち出し撮影されており、2人のふるさとの土着の風景に溶け込む橿尾さんの造形美を、土田さんの視点で切り取った。茶色の和紙を貼った、橿尾さんの動きのある造形作品「あるいきもの」は竹林の中で撮影され、未知の生命体が力強く歩くような印象を与えている。
また、橿尾さんの新作「誕生3」は、新しく生まれる命をテーマとした。多色塗りした針金の球体を、茶色の和紙で作った球体で包み込んだ。