四季山水図(左からの4幅)など岡倉秋水の作品=福井県福井市立郷土歴史博物館

四季山水図(左からの4幅)など岡倉秋水の作品=福井県福井市立郷土歴史博物館

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岡倉秋水、島田墨仙に光 福井市立郷土歴博で企画展

福井新聞(2019年9月6日)

 ともに福井城下に生まれた近代日本画家、岡倉秋水(1867~1950年)と島田墨仙(1867~1943年)を紹介する企画展が、福井県福井市立郷土歴史博物館の松平家史料展示室で開かれている。若くして注目を集めた秋水と、晩年に評価された墨仙。作品の展示を通し、対照的な生涯をたどった同い年の2人の神髄と魅力に触れることができる。10月8日まで。

 秋水は近代日本美術の指導者岡倉天心のおいで、近代日本画の父といわれる狩野芳崖(ほうがい)に1884年ごろ弟子入りし「芳崖四天王」と称された。皇居外苑にある楠木正成像制作の際に図案が採用された。芳崖の没後、天心の指示で絵画教育の教壇に立ち、芳崖の遺作展を開くなど顕彰に大きな役割を果たした。

 企画展では、寄託された掛け軸7幅を公開している。「四季山水図」は、春夏秋冬を1幅ずつ描いた最晩年の作品で、室町期の水墨画を模写した師匠芳崖の影響がうかがえる。

 墨仙は、福井で図画教育の教壇に立ち1896年に上京、近代日本画の巨匠橋本雅邦に師事した。橋本左内の肖像画を手掛けるなど歴史人物画の大家として評価され、越前松平家18代当主に命じられて明治神宮外苑の聖徳記念絵画館に「王政復古図」を奉納。最晩年に日本画部門初の日本芸術院賞を受賞した。

 展示室では、左内の肖像画や王政復古図の複製のほか、掛け軸6幅を紹介している。戦国武将加藤清正を描いた晩年の作品は、最小限の線と上品な彩色が高い技量を感じさせる。

 2人と同時期に洋画を学んだ福井ゆかりの作家の作品も併せて展示している。

 観覧料は210円。担当学芸員による展示解説は9月7、21日、10月5日の午後2時から。

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