和紙と沈金で羽ばたくタカを表現した冨田さん=福井県鯖江市河和田町

和紙と沈金で羽ばたくタカを表現した冨田さん=福井県鯖江市河和田町

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漆芸と越前和紙のコラボ 21日から 福井・鯖江

福井新聞(2019年9月13日)

 9月21日に福井県のサンドーム福井で開幕する「テオ・ヤンセン展inふくい×クラフトエキシビション」(県主催、福井新聞社共催)で、世界の漆芸作家と越前和紙のコラボ作品展「令和に集う世界の漆芸36歌仙展」が開かれる。1500年の歴史を持つ越前漆器産地の鯖江市河和田地区からも5人の漆職人が出展する。それぞれが1枚の和紙に蒔絵(まきえ)や沈金などを施し、独自の世界観を表現する。

 県内の工芸品を一堂に集めた展示・販売やワークショップを行うクラフトエキシビションの一環。東京芸大の三田村有純名誉教授が企画し、日本や中国、フランスなど11カ国・地域の36人が出展する。越前和紙職人3人がすいた3種類の和紙から1枚選び、漆作品に仕上げてもらった。

 河和田地区の出展者のうち、蒔絵の伝統工芸士の森田昌敏さん(59)=鯖江市寺中町=は和紙を水に見立て、水面に落ちたモミジを表現した。職人歴約40年の森田さんでも和紙に直接描くのは初の経験。何度か下描きした結果、凸凹した和紙の筆走りの悪さを逆に生かし、かすれた落ち葉を題材に決めた。

 落ち葉の色は「漆の魅力が一番伝わる」(森田さん)黒と赤にして、黒い葉にだけアクセントで金粉をまいた。余白を多くとって和紙の魅力も残しつつ、繊細な蒔絵技術を存分に披露している。

 また、日展作家で沈金師の冨田忠志さん(45)=同市河和田町=は、自身が得意とする鳥をモチーフに、沈金と和紙のコラボ作品を仕上げた。

 沈金は漆塗りの板をのみで彫り、漆を接着剤にして金粉や色粉を付着させて絵を描く技法。和紙を彫ることはできないため、タカをかたどった漆板を和紙に貼り、立体的な作品とした。翼など部分的に沈金を施すことでタカの躍動感を表現し、和紙には朱色の漆を塗り込んで陰影をつけた。羽ばたくタカが和紙の流れるような模様とマッチしている。

 冨田さんは「福井の伝統工芸の魅力が伝わる展示になるとうれしい。海外の作家がどのような作品を出すのか私も楽しみ」と話している。

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