飯田市今宮町の郊戸(ごうど)八幡宮一帯で14日夜、秋季祭典の奉納煙火があった。江戸時代から続くと伝わる。隣接する市営今宮球場には日が落ちるとともに橋南、丸山地区の各町から上ってきたみこしが集結。担ぎ手たちは火花が舞い上がる中、勇ましく動き回り、スタンドを埋めた観衆を魅了した。
みこしはちょうちん、牛車、軍配などユニークな形の17基が参加。「わっしょいわっしょい」の掛け声とともに、右へ左へ蛇行させたり激しく上下に動かしたり。最終盤、15本の筒花火「連合大三国」が火を噴くと、盛り上がりは最高潮となった。
本町1〜3丁目の住民らをまとめた表具師宮下勝吉さん(57)は「昔は(地元の)3丁目だけでみこしを出したこともあった。伝統行事を通じて地域の連帯感を高めておけば、災害など非常時にも協力して対応できる」と話した。