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越前和紙に蒔絵や沈金、独自の世界観共演 サンドーム福井

福井新聞(2019年9月22日)

 福井県内外の伝統工芸とアートがコラボレーションしたイベント「テオ・ヤンセン展inふくい×クラフトエキシビション」(福井県主催、福井新聞社共催)が9月21日、サンドーム福井で開幕した。同時開催のクラフトエキシビションには、漆器や和紙といった伝統工芸をテーマに展示や販売、体験など多彩な企画が出そろった。来場者は芸術と親和性の高い県内の伝統工芸品の魅力を、見て触って体感していた。

 メイン企画の「令和に集う世界の漆芸36歌仙展」では、日本や中国、フランスなど11カ国・地域の漆芸作家が越前和紙とコラボ。それぞれが1枚の和紙に蒔絵(まきえ)や沈金などを施し、独自の世界観を表現している。1500年の歴史を誇る越前漆器の産地からも漆職人5人が参加しており、世界に負けない力作を出品した。

 塗料でありながら接着剤の役割も果たす漆を巧みに扱い、描写が細かい魚群や、金箔(きんぱく)をアクセントにした教会などの多様な漆絵が並んだ。和紙の模様を生かした作品も多く、企画展を監修した東京芸大の三田村有純名誉教授は「国境を超えた作風の違いが楽しめるだけでなく、漆と和紙による芸術表現の可能性が広がった」と話していた。

 クラフトエキシビションでは、ほかにも国内の女性漆芸作家15人が制作したアクセサリーや、越前箪笥(たんす)職人と敦賀市の遊具メーカーによるコラボ作品を展示。越前打刃物や越前焼など県内の伝統工芸品を集めたセレクトショップもあり、来場者は伝統の技に触れながら品定めを楽しんでいた。

 「テオ・ヤンセン展」は「国際北陸工芸サミット」の一環で、10月27日までの午前10時~午後5時。一般千円、大学生800円、高校生以下無料。

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