ポイントカードを紹介するスタッフ=薬師沢小屋

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北ア山小屋宿泊便利に 無料Wi-Fi整備

北日本新聞(2019年9月24日)

■ポイントカード・スマホ決済...

 ポイントカードやキャッシュレス決済、無料Wi-Fi(ワイファイ)...。北アルプスの山小屋が、宿泊する登山者向けサービスの充実に取り組んでいる。利便性を高め、テント泊の若者や外国人客を取り込むのが狙い。スタッフが遭難救助などを担い、「山のインフラ」とも言われる山小屋。経営を安定させることで、大切なインフラを維持していきたいという。

 北アルプスで複数の山小屋やロッジを経営する太郎平小屋グループは、8月からポイントカードの発行を始めた。太郎平小屋や薬師沢小屋などグループの計5施設で利用できる。1泊につき1ポイントたまり、12ポイントで1泊の宿泊料が無料になる。

 太郎平小屋の支配人、河野一樹さん(45)によると、利用料は1泊約1万円。近隣のキャンプ場は1泊千円のところが多く、河野さんは「若い人の中には『山小屋は高い』と感じる人もいる。ポイントカードで、少しでもお得感を感じてもらいたかった」と説明する。

 "下界"と同様に、キャッシュレス化は山小屋でも進む。立山・室堂平の雷鳥荘では、7月にスマートフォン決済サービス「ペイペイ」が使えるようになった。既に導入しているクレジットカード決済と合わせ、今では売り上げ全体の約4割がキャッシュレス決済。「去年まで現金以外で支払う人は1割もいなかった。今年は全然違うよ」。オーナーの志鷹定義さん(71)は急速な普及に驚く。

 長野、岐阜県境の奥穂高岳で営業する穂高岳山荘は外国人利用客の増加を受け、5年前にクレジットカード決済の設備を整えた。代表の今田恵さん(34)によると、登山客の中には現金がないために山小屋に泊まれないと考え、荒天でも無理に下山を試みる人もいるという。今田さんは「登山口でもATM(現金自動預払機)は少ない。キャッシュレス決済は登山客の安全確保にも役立つ」と語る。

 雷鳥荘と穂高岳山荘はそれぞれ、無料Wi-Fiサービスも提供。どちらも「外国人客を中心に評判がいい」と言う。

 山小屋は宿泊施設であると同時に、登山道の整備や遭難救助なども担い、登山文化にとって欠かせない存在。太郎平小屋の河野さんは「経営していくには収益を上げなければいけない。利便性を高めることで、宿泊客の増加につながれば」と話している。

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