新潟県阿賀町は、全国公開中の映画「ある船頭の話」が同町を舞台に撮影されたことから、ロケ地マップを作製した。映画を象徴する阿賀野川の撮影スポットなど、7カ所を紹介。映画を通じた町巡りにつなげようと、役場などで無料配布している。
映画は、俳優のオダギリジョーさんが監督した初の長編作品。明治-大正期の山あいの村に近代化の波が押し寄せてくる舞台設定となっている。柄本明さん演じる主人公の船頭トイチが、なりわいを通じて生きる意味を問う内容だ。ほとんどのシーンを町内で撮影し、阿賀野川の雄大な自然と暮らしの様子が町の景色とともに作品で描かれている。
マップはA4判カラーで、役場とユナイテッド・シネマ新潟(新潟市中央区)で手に入る。阿賀野川の景勝地「千畳岩」(鹿瀬地区)をはじめ、トイチが牛を連れた客とともに川を渡った「常浪川」(津川地区)、トイチが医師の診療を受けた「かやぶきの里」(上川地区)などを、映画シーンの画像とともに収録している。ほとんどの撮影スポットは気軽に立ち寄れるが、私有地のため立ち入り禁止の場所も一部にはある。
町まちづくり観光課は「この機会に町を知ってもらい、町を訪れる人を増やしたい」と話している。
また、同町津川の狐の嫁入り屋敷では、映画のシーンや撮影の様子を伝える写真のパネル展も開催している。