新潟県県央地域の工場などを開放する「燕三条 工場(こうば)の祭典」(10月3~6日)に合わせて、燕三条地域のものづくり企業が、施設を相次いで新設、リニューアルする。見学可能な場所を増やしたり、体験スペースを設けたりすることで、地場産の製品をより身近に感じてもらいたい考えだ。
包丁メーカー「藤次郎」(燕市物流センター1)は、同市吉田東栄町のオープンファクトリーを1日にリニューアルオープンする。工場の増設により、量産品のほぼ全ての製造工程が見学可能となった。
新工場は鉄骨造りで、約490平方メートル。鋼材から包丁の形を切り抜くレーザーカットや焼き入れ、機械で刀身をくさび型に削る自動研削の工程を見ることができる。
また、ハンドメイド品を製造する「ナイフアトリエ」内にワークショップスペースを設けた。工場の祭典では見学ツアーを実施するほか、包丁の研ぎ講座、フルーツナイフの製作体験などを予定している。
ナイフギャラリー責任者の小川真登さん(47)は「これまでお見せできなかった工程が見られるので、一度見学した人もぜひ来てほしい」と話している。
チタン製アクセサリー製造「レジエ」(三条市南新保)は3日、工場と店舗を併設した新店舗を現工場の隣にオープンする。店舗部分を拡大し、ワークショップなどに利用できるスペースも新たに設けた。
2階建てで、延べ床面積は従来の工場と比べて約2倍の約280平方メートル。これまでも工場内に店舗部分はあったが、約10平方メートルと手狭だった。工場の祭典では、ブレスレットやピアスの製作体験を企画する。
浅野良二郎社長(72)は「スペースが広くなり、ゆっくりと商品や工場を見てもらえる。これまでは県外の人が多かったが、地元の人にも多く来てもらいたい」と期待している。
作業工具メーカーのマルト長谷川工作所(三条市土場)は1日、本社敷地内に、自社製品を展示するショールームをオープンする。工場の祭典では、自社製品のニッパーを使ったミニ四駆の製作体験などがある。