利家や金沢駅が描かれた黒板アート=金沢駅もてなしドーム

利家や金沢駅が描かれた黒板アート=金沢駅もてなしドーム

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金沢今昔、黒板に描く もてなしドーム地下広場

北國新聞(2019年10月3日)

 小学校で不要になった黒板に絵を描く「みんなの思い出黒板アート」の作品が2日、金沢駅もてなしドーム地下広場で披露された。第1弾は金沢美大の学生が「金沢今昔行列絵巻」をテーマに、加賀藩祖前田利家が金沢城に入城する場面や路面電車、金沢駅の鼓門などを表現。チョークのみで工夫を凝らして仕上げられた大作が広場に彩りを添えた。
 作品を手掛けたのは、いずれも同大修士1年絵画専攻の棚部芹さん、舘田美玖さん、富﨑美結さん、長尾柚香さんの女子4人で、油絵を専門に学んでいる。
 4人は9月25日から制作に取り掛かり、普段とは違う画材に苦労しながら、チョークの粉を水で溶いてペンキ状にしたり、複数のチョークで色を重ねて微妙な色合いを出した。長尾さんは「今までにない経験で戸惑いもあったが、面白かった」と振り返った。
 キャンバスは、旧材木町小で使われていた縦1・2メートル、横3・6メートルの黒板3枚。1枚目には利家が金沢城に向かう行列の絵、2、3枚目にはその絵を模した大正・昭和版と現代版が描かれた。大正・昭和版には路面電車、現代版には鼓門の絵も添えられ、行列を作る人々の服装の対比を楽しむことができる。
 友人と作品を見に来た高松加奈さん(金沢星稜大1年)は「ペンキみたいな質感でチョークじゃないみたい」と話し、高橋凜華さん(同)は「所々に黒板の深緑が見える。土台を生かすアイデアもいい」とうなずいた。展示は8日まで。
 みんなの思い出黒板アートは市民が気軽にアート作品に親しむ機会を作ろうと、市が昨年企画した。好評だったため、今年も開催することになった。次回は桜丘高の生徒と金沢美大の学生が共同制作し、第3弾は金沢学院大生が担当する予定となっている。

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