福井県勝山市の老舗酒蔵、一本義久保本店で10月4日、新酒の仕込みが始まった。令和時代の初仕込みとなり、蔵人(くらびと)が大型タンクに長さ約3メートルの櫂棒(かいぼう)を入れ、均一にかき混ぜる作業に精を出した。
大型タンクには、蒸した奥越産酒米「五百万石」や麹(こうじ)、白山の伏流水を投入。室温10度のひんやりとした仕込み蔵で「もろみ仕込み」を行い、2人の蔵人が腕の張りに耐えながら櫂棒を上下にゆっくりと動かし続けた。
杜氏(とうじ)の大井信積醸造課長(47)は「今年は天候に恵まれ、品質の良いお米ができた。お米のうまみを感じられるお酒にしたい」と期待を込めた。
来年6月まで蔵人10人が作業を続け、1・8リットル瓶換算で約50万本分を仕込む。初搾りは24日の予定。初搾りの新酒は県内約500の飲食店限定で提供される。