完成した焼き菓子を前に深層水の魅力について語り合う(右から)五十嵐教授、藤瀬代表、藤井社長

完成した焼き菓子を前に深層水の魅力について語り合う(右から)五十嵐教授、藤瀬代表、藤井社長

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深層水塩で焼き菓子 小杉の洋菓子店・県立大開発

北日本新聞(2019年10月9日)

 射水市戸破(小杉)の洋菓子店「パティスリー ル・クール」(藤瀬昌代代表)と県立大は、富山湾の海洋深層水から取り出した天然塩を使った焼き菓子を商品化した。海洋深層水に含まれる40種類のミネラルが素材の味を引き立たせており、海洋深層水の研究者で開発に協力した同大工学部の五十嵐康弘教授は「海洋深層水の価値が再認識されるきっかけになればうれしい」と話している。

 焼き菓子は北海道産の発酵バターを混ぜ込んだ「塩発酵バタークッキー」と県産米粉を原料にした「塩米粉サブレ」の2種類。海洋深層水塩は五洲薬品(富山市花園町、藤井侃(すなお)社長)が自社で製造販売する「キッチン吉祥塩」を用いた。

 今春、五十嵐教授の妻と藤瀬代表が知人だった縁で開発がスタート。同店で使用していたフランス産の塩の代わりに海洋深層水塩でクッキーを作ると風味が格段にアップした。県立大の学生や職員に試食してもらい、約7割が海洋深層水塩を用いたクッキーの方がおいしいと評価した。

 商品化に向けた調整を進めるとともに、新たに塩米粉サブレも開発した。藤瀬代表は「角の取れたまろやかな海洋深層水塩がバターや米粉など素材の持ち味を存分に引き出してくれた」と言う。同店では今月から販売を始めており、価格は塩米粉サブレ(5個入り)、塩発酵バタークッキー(4個入り)が各500円。海洋深層水をイメージした青いオリジナル缶に入れた詰め合わせは2400円。五洲薬品はオリジナルパッケージに入れた焼き菓子を、富山駅の「とやマルシェ」にある自社アンテナショップで販売する予定。

 1990年代後半~2000年代初めに脚光を浴びた海洋深層水は近年、新商品開発が一服しているのが現状。富山湾深層水協議会の会長を務める藤井社長は「おいしくてミネラルを手軽に摂取できる点で焼き菓子は素晴らしいアイデア」と喜ぶ。五十嵐教授は「若い世代が海洋深層水に関心を持ち、地域資源の利用拡大のきっかけになってほしい」と期待している。

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