酒蔵を活用した宿泊施設「酒蔵ホテル」の開業を目指す小諸市鴇久保(ときくぼ)の田沢麻里香さん(33)は11日夜、佐久市臼田で事業説明会を開いた。利用者が宿泊する橘倉(きつくら)酒造の地元臼田で、住民や事業所の理解を得る狙い。来年3月に開業する見通しで、地域と連携して進めたいと訴えた。
旅行会社などの勤務経験がある田沢さんは、外国人に人気があり、佐久地域に13ある日本酒の酒蔵を生かした地域づくりを構想。昨年9月に小諸市で開いたビジネスコンテスト「みんなの夢AWARD(アワード)in小諸」、今年2月に千葉県であった同コンテストの全国版で、いずれもグランプリを獲得した。
田沢さんは事業を運営する会社「KURABITO STAY(クラビトステイ)」(小諸市)を設立した。事業説明によると、主なターゲットは外国人の富裕層。2泊3日で酒蔵に滞在し、仕込みなどを体験する。利用者が地域の飲食店などを回遊するよう、昼食や夕食は提供しない。周辺地域の体験プログラムへの参加も促す。今月中に酒蔵にある建物の改装に着手するという。
説明会は住民や行政職員ら約50人が出席した。田沢さんは「酒蔵ホテルが地域をつなぐ核になる。世界中の酒ファンが感動する場所を一緒に考え、つくりたい」と話した。