福井県内や滋賀、岐阜県に残る南北朝時代や戦国時代の旧跡をのろしで結ぶ催し「第13回古里をのろしでつなごう」が10月20日に行われた。計34カ所の歴史愛好家らが秋空に高々と煙を上げ、時を経ても変わらぬ古里への思いを確認し合った。
滋賀県で開かれている「琵琶湖一周のろし駅伝」を、歴史的につながりの深い福井県にも広げようと、愛好家が事務局をつくり2007年から行っている。今年は呼び掛けに対し、県内30カ所、滋賀県3カ所、岐阜県1カ所の歴史や登山の愛好家グループ、地元有志らが応じた。
最初ののろしは午前10時、岐阜県の関ケ原古戦場で上げられた。小谷城(滋賀県)などを経て15分ほどで県内最初の玄蕃尾(げんばお)城(敦賀市)に達した。その後は村国山(越前市)、国見岳(福井市)などを経て石川県境の刈安山まで、1時間余り掛けて県内をリレーした。
このうち鯖江、福井市境の城山山頂にある三峯城跡(鯖江市)では、甲冑(かっちゅう)姿の同城跡保存会員や、地元住民ら約40人がスタンバイ。午前11時すぎに前の中継点の山林から煙が上がると、地元壮年会のメンバーは急いで竹ざおにくくりつけた発煙筒に着火。約4キロ離れた一乗城山(福井市)に向け、高々と掲げた。数分後に一乗城山からものろしが確認されると、参加者は拍手をして喜び「エイエイオー」と勝ちどきを上げた。
登山道入り口の広場では地元野菜を使った「戦国鍋」の振る舞いもあり、それぞれが秋の一日を楽しんでいた。