常設展示された隈さんデザインの輪島塗セット=輪島市の輪島塗会館

常設展示された隈さんデザインの輪島塗セット=輪島市の輪島塗会館

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隈さんデザイン 輪島塗の皿を常設展示

北國新聞(2019年10月25日)

 輪島漆器商工業協同組合は24日までに、輪島市の輪島塗会館で、世界的建築家の隈研吾さんがデザインした輪島塗の皿6点セットの常設展示を始めた。木地や下地塗りなど、輪島塗の製作工程が分かる展示で、今後は市役所や都内でも披露する。海外での販促活動にも活用する計画で、組合では隈さんの知名度を生かしながら、丈夫さと優美さを兼ね備えた輪島塗の周知に役立てる。
 隈さんデザインの皿は、昨年夏に打ち合わせが始まり、今年4月から、9事業所12人の職人が分業して制作に当たった。県中小企業団体中央会が支援した。今月5、6日に市内で開かれた国内屈指のグルメイベント「ダイニングアウト」(北國新聞社後援)で初披露され、この器で料理を味わった参加者12人が、その場で購入した。
 使う人が輪島塗の工程を理解しやすいように、皿は木地、布着せ、下地、中塗り、朱漆の上塗り、沈金(ちんきん)による加飾の各段階を表している。直径は木地皿の20センチを基本に、工程が進むごとに1センチずつ大きくし、重ねて収納しやすくなっている。
 輪島塗会館の常設展示では、隈さんのアイデアを形にした熟練職人12人を写真付きで紹介している。1セット45万円(税別)で注文も受ける。
 ダイニングアウトに合わせて始まった、輪島塗の海外販売を促す経済産業省ローカルクールジャパン推進事業(通称ジャパントレジャー)でも、組合などは隈さんデザインの皿を活用し、台湾などへの販路開拓を目指す。組合の隅堅正事務局長は「輪島塗は、工程ごとの職人が高い技術を注ぎ込んでいることを、隈さんのデザインを通じて多くの人に知ってもらいたい」と期待を寄せた。

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