職人の技術が光る越前箪笥や指物製品が並ぶ「越前箪笥会館」=10月25日、越前市本町

職人の技術が光る越前箪笥や指物製品が並ぶ「越前箪笥会館」=10月25日、越前市本町

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越前箪笥に待望拠点 越前市・タンス町通り

福井新聞(2019年10月26日)

 越前市を代表する伝統工芸の一つ、越前箪笥(たんす)の製品や技術を紹介する「越前箪笥会館」の落成式が25日、同市本町のタンス町通りで行われた。越前和紙の里、刃物の里、タケフナイフビレッジに同会館が加わり、同市の伝統工芸の越前和紙、越前打刃物、越前箪笥それぞれの拠点が整った。同会館はJR武生駅と市武生中央公園を結ぶ動線上にあり、まちなか観光スポットとしても期待される。27日午前11時にオープンする。

 丹南の13事業者でつくる越前指物協同組合が、老舗の家具店、箪笥職人の工房が立ち並ぶタンス町通りに面する同組合事務所を改修した。鉄骨3階建て、延べ床面積約230平方メートル。

 1階は越前箪笥の"ショールーム"と位置づけ、各事業者自慢の箪笥や指物製品、キャリーバッグなどを紹介。越前箪笥の起源を示す法隆寺の国宝「橘夫人厨子(ずし)」を、同組合の職人たちが縮小して再現した厨子をシンボルとして展示している。木工体験のワークショップができるスペースも設けた。2階に組合事務所を置き、3階は古い越前箪笥などを展示する空間に今後整備していく。改修費は2330万円。県と市が1千万円ずつ補助した。

 落成式では、同組合の松井建士理事長が「会館の完成により越前指物の情報を発信できる拠点ができた。交流人口の増加につながるよう観光客が越前指物に親しめるよう努める」と決意を語った。奈良俊幸市長は来年春に終了するタケフナイフビレッジの改修に触れて「すべての伝統的工芸品の施設整備が終わる。今後はそれぞれの職人の皆さんが匠の技で立派な作品を作っているので、連携を図りながら魅力を発信していくことがかぎ」と期待を寄せた。

 27日は午後0時半に、まちなかの秋を彩る恒例イベント「昭和の花嫁行列」が同会館前をスタートしてオープンに花を添える。木製のミニカーや組子のコースターを作るワークショップも開かれる。

 開館時間は午前11時~午後4時。水、木曜休館。入館無料。イベント開催時以外は無人となるため、近くの組合加盟の店舗や工房で問い合わせを受け付ける。

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