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視覚頼らぬ美の世界 八田豊展開幕 金津創作の森美術館

福井新聞(2019年10月27日)

 50代で視力を失ってからも、聴覚や触覚を頼りに制作を続ける福井県越前市の現代美術作家、八田豊さん(89)の個展「アウラに生きる」(福井新聞社共催)が10月26日、福井県あわら市の金津創作の森美術館で開幕した。金属板に円環を規則的に彫り込んだカービングやペインティングなど、代表作100点で70年超の歩みをたどっている。12月8日まで。

 筆を置いた60年代にカービングで名をはせた八田さんは、70年代から徐々に視力が悪化。一時は制作の中断を余儀なくされたが、80年代の終わりから再び絵画に挑む。「流れより」シリーズは、流れる絵の具のかすかな光の反射や、画面の端からしたたり落ちる音、記憶の中の色を頼りに大画面に色鮮やかなストライプを描いている。

 この日は八田さんと多摩美大学長で美術評論家の建畠晢さん、同美術館の土田ヒロミ館長による鼎談があり、八田さんは制作について「目で見えなかったら、さすって肌で感じればいい。完成作品は音を聞いたり、匂いをかいだりして確認する」と語った。

 一般600円、65歳以上300円、高校生以下無料。

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