店舗から50歩ほどの距離にある展望台に立つ晶栄さん。紅葉、茅野市街地、山々を眺めながらそばを味わえる

店舗から50歩ほどの距離にある展望台に立つ晶栄さん。紅葉、茅野市街地、山々を眺めながらそばを味わえる

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そば×紅葉、横谷渓谷で旬を一気に 茅野の1坪の店評判

信濃毎日新聞(2019年11月1日)

 茅野市郊外の横谷渓谷沿いにある横谷観音駐車場に隣接する1坪ほどの店舗「観音SOBA」のそばが、渓谷の景色を見ながら食べられると評判だ。今夏に店をオープンさせた石井晶栄(あきえ)さん(52)=茅野市=は「木々が色づくこの季節に、紅葉とそばという秋の旬を一気に味わってほしい」と話し、そばで横谷渓谷を盛り上げたいと張り切っている。

 晶栄さんは昨年5月まで約20年、夫の秀樹さん(54)と同駐車場の近くでレストランを営んできた。コックの秀樹さんが脳動脈解離になったのを機にレストランを畳んだ。その後、晶栄さんは「慣れ親しんだ地域の活性化に貢献したい」と、10数年間空き店舗だった最寄りの小屋を借り、観音SOBAを開いた。

 そば以外のメニューも豊富だ。秀樹さんが考案のみそとしょうゆ仕立てのスープにそばをつけて食べる「けん豚汁つけそば」や、そばクレープロールなどがある。

 2人は名古屋市の出身。スキーが好きで県内をよく訪れていたという。秀樹さんが脱サラをして店を開くことを決め、「滑らかな尾根が優しい印象を与える八ケ岳連峰が好き」と茅野市に移住した。

 観音SOBAは、ほぼ晶栄さんが1人で切り盛りしている。店は市街地から車で30分ほどの距離にあり、周囲に他の飲食店もなく、どう店を知ってもらうかが課題。そこで、横谷渓谷の写真を会員制交流サイト(SNS)やホームページで紹介することで店をPRしている。

 10月下旬、紅葉が見頃を迎えた横谷渓谷には、多くの観光客が来訪。観音SOBAを見て「こんな所にそば店がある」と喜ぶ客もいた。東京都の北村貞幸さん(70)は「紅葉を見ながら信州そばを食べるのは初めて。秋が身に染みて、格別です」と話した。

 晶栄さんによると、紅葉は2、3日にピークを迎える。店舗は冬季休業を予定しているが、晶栄さんは「渓谷は紅葉だけでなく、夏の深緑や冬の雪もきれい。四季折々の魅力をそばとともに発信して、有名な観光地にしたい」と話している。

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