第9回湯涌ぼんぼり祭り(北國新聞社後援)は2日、金沢市の湯涌温泉で行われた。台風19号の影響で10月12日から順延され規模を縮小したが、それでもアニメ「花咲くいろは」の聖地には全国から約8千人(主催者発表)が訪れ、7月に放火殺人事件の被害に遭った京都アニメーションにエールを送るファンも見られた。
祭りは湯涌温泉をモデルにした「花咲くいろは」にちなんだイベントで、アニメ放映後の2011年から始まった。
午後6時前、メイン行事の「神送(かみおくり)行列」が湯涌稲荷神社の階段下から出発した。ファンの願い事が書かれた「のぞみ札」を納めたかごを地元住民が担ぎ、玉泉湖の周囲を練り歩いた。かごが「お焚き上げ」で燃やされると、ファンらが記念撮影した。
第1回から欠かさず祭りに参加しているという萩原拓也さん(34)=埼玉県春日部市=は、願い事のほかに、京アニ犠牲者を悼むメッセージを添えた。「ここにいるアニメファンはみんな思うところがあると思う」と話した。
湯涌温泉観光協会の安藤有会長はあいさつで「来年の節目となる10年目も盛り上げていきたい」とアニメファンとつくる祭りの継続に意欲を見せた。アニメプロデューサーの永谷敬之さんも駆けつけ「100年続く祭りにしたい」と話して会場を沸かせた。