高岡市の産学官が連携して鋳物の魅力を発信する「やさしい・いものプロジェクト」の作品制作が10日、高岡市オフィスパークの鋳物メーカー、能作の本社工場で行われた。事前の研究会で基礎を学んだ男女15人が参加し、オリジナルの鋳物を完成させた。
鋳物砂を使う高岡銅器の主力技法「生型(なまがた)鋳造」で制作。通常は同じ原型を何度も使って量産するところ、各自で持ち寄った貝殻や木の葉で模様を付けたり、手で砂を掘ったりして世界に一つしかない鋳型を作った。富山大芸術文化学部の三船温尚(はるひさ)教授がアドバイスした。
約1300度に熱した銅とスズの合金を、能作の職人が流し込んだ。しばらく冷ました後、型枠を外すと、砂の中から湯飲みや皿が姿を現した。複数のやすりを使い分け、表面を磨いて仕上げた。
事前に練習する研究会は今月17日、作品制作は12月1日にもあり、参加者を募っている。参加者の作品は来春に御旅屋セリオで開かれる展示即売会に並べる。