大賞を受けた菅野さんの作品などを鑑賞する来場者=金沢21世紀美術館

大賞を受けた菅野さんの作品などを鑑賞する来場者=金沢21世紀美術館

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「越境」工芸、意欲光る 金沢21美で工芸トリエンナーレ開幕

北國新聞(2019年11月12日)

2019ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭(同実行委員会、石川県、一般財団法人県芸術文化協会主催)は10日、金沢・世界工芸トリエンナーレが開幕したほか、小唄や民謡の発表会、着物の教室が開かれ、幅広い世代が石川に息づく文化に触れた。
 「越境する工芸」をテーマに金沢21世紀美術館で開幕した第4回金沢・世界工芸トリエンナーレ(北國新聞社特別協力)では、来場者が工芸都市・金沢に集結した秀作群から工芸の豊かな可能性を感じ取った。
 国際公募展「2019金沢・世界工芸コンペティション」は入賞、入選作74点が展示された。大賞を受けた菅野有紀子さん(金沢)の「deep river」は細長いガラスを無数に配し、少女の心情を表した世界観が目を引いた。漆の光沢に人間の複雑な感情を込めた人体像のほか、陶磁や金属の意欲作も並んだ。40の国と地域から525点の応募があり、開催委員会長の大樋陶冶斎さん(陶芸家、文化勲章受章者)らが審査した。
 企画展には国内外で活躍するアーティスト15人が参加し、工芸の枠にとらわれない鋭い感性が光った。
 10日は開場式と金沢・世界工芸フォーラムも開かれ、公募展の審査も担当した米メトロポリタン美術館アジア美術部日本工芸アシスタント・キュレーターのモニカ・ビンチクさんらが世界の工芸の動向などを紹介した。展示は21日までで入場無料。

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