南木曽町の妻籠宿で23日、江戸時代の装束で旧中山道を練り歩く「文化文政風俗絵巻之行列」があった。1968(昭和43)年に始まり、52回目。天候に恵まれ、約1万2千人の観光客らが江戸時代にタイムスリップしたような感覚を楽しんだ。
地元住民や行列に協力する県外グループのメンバーら約250人が、武士や農民、旅人や町娘などの衣装で練り歩いた。一番の人気は木曽馬に乗った花嫁の周りで、大勢の写真愛好家が殺到して人だかりができた。
花嫁役の会社員塚本美帆さん(26)=南木曽町=は、たくさんのカメラに向かって笑顔で応じた。「小さい頃(花嫁役を)憧れて見ていた。馬上からは見慣れた風景が違って見えた」と話した。
主催する住民組織「妻籠を愛する会」の藤原義則理事長(71)は「令和になって初めての行列で、新しい時代の幕開けだと感じる。伝統文化を継承し、次の町づくりに生かしていく」としている。