福井県勝山市の県立恐竜博物館で11月30日、冬季企画展「新種発見‼恐竜につけられた名前のひみつ」(福井新聞社後援)が始まった。同市北谷町で見つかり、新属新種の鳥類と判明したフクイプテリクス・プリマの化石など40点が展示され、学名の由来を紹介している。来年1月19日まで。
企画展は「令和」への改元や鳥類、恐竜化石の新属新種認定にちなみ、命名がテーマの一つ。学名の決め方や命名の手順、名前に込められた意味を化石、骨格などの標本とともに解説している。
発見された化石を新種として命名するには、研究を行って新種と証明し、論文を発表する必要がある。実物化石などが並べられたフクイプテリクス・プリマは「原始的な福井の翼」を意味し、研究や命名の過程も分かりやすく紹介されている。
タイで発掘された恐竜化石が、同博物館などの研究で新属新種と判明した大型肉食恐竜シャムラプトル・スワティの化石複製22点も展示。属名はタイの旧名「シャム」とラテン語で略奪者を表す「ラプトル」を組み合わせた。
頭骨が展示されたティラノサウルス・レックスは「ティラノ」がギリシャ語の暴れん坊、「レックス」はラテン語の王に由来し、全体として「暴君トカゲ」という意味と説明。同博物館の関谷透研究員(38)は「新種の恐竜の名前がついたのをきっかけに、学名の由来やどう決まるのかを学んでいただければ」と話していた。